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悠山柏州

Author:悠山柏州
姓はクマ名はゴロー、人呼んで悠山クマゴロー

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妖精の歌声
秋の夜に心の叫びしみわたり

秋の夜長。ここは人里離れた森の中の美術館。
一見教会を思わせる吹き抜けの高い三角天井が、薄暗く古風で落ち着いた雰囲気をかもし出している。正面の壁にはさして大きくは無いパイプオルガンが据えてあり、それが一層ミサの気分を感じさせる。周囲の白壁には版画の小作品が展示されたままである。
パイプオルガンを背にエレキギターの伴奏が静かに始まった。和服姿の彼女の少しハスキーな歌声が伸びやかに流れ始めた。ひょっとしてミスマッチな取り合わせかと心配していたが、一曲終って妙に雰囲気に溶け込んだヴォーカルであることに安心した。
続いて2曲、3曲・・・ほの暗い会場が次第に彼女の世界に変わって行った。

彼女の名は「酒井俊(しゅん)」、名うてのジャズシンガーである。
syun.jpg都内のライブハウスに何度か聴きに行き、その歌声に魅せられたものだ。彼女は歌手の前に詩人である。日本の童謡なども含めてジャンルは広い。ジャズの範疇を越えて観客に語りかけてくるのである。
ただ今回は全く場違いとも言える、違和感ある空間でのコンサート。そして今まで聴いてきた印象とは少し趣の違う、ソウルフルと言うかスピリチュアルな語りであった。顔の表情、目の語らい、手や指の仕草、体のこなし・・・五体の全てを使い、夜の妖精のように自分の世界に誘い込む。ノリのよいテンポで心の底からささやきかけて来るその美しい歌声は聴く者を魅了してやまない。そこには彼女の生きてきた人生の全てを現しているかのごとき魔力があった。

1時間のステージが終り、15分のティータイム休憩を挟んで45分のセカンドステージ。彼女は歌いまくった。約50名のリスナーはその2時間に夫々の人生を静かに振り返ったことだろう。
全てが終りホッと我に返って、横に並んで歩く彼女に「Sで何度か聞かせていただきました」と挨拶をすると、「あぁ、そうでしたか・・・」と嬉しそうに笑った。CDアルバムにサインをもらって暗い夜道を帰途についた。
心地よいコスモスの夜風が耳元をくすぐって通り過ぎた。                 (Sep.27)



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